上肢の感覚入力の手順

前々回からの続きです。

現段階で私の経験した感覚回復の順番は、
1)身体所有感覚。
2)身体所有感覚の位置(位置覚とは別)の正常化。
3)痛覚。
4)圧覚。
5)位置覚、触覚、温度覚ランダム。
運動主体感(sense of agency)は、
最も基本的な自己感の一つらしいのですが、
5)がある程度備わらないと私は感じ無いです。

0%から1%への感覚入力で、
実際やっている事は、
1)アライメント調整。(他動、自動)
2)引っ張る、圧迫する。(他動、自動)
3)素手で触る、擦る、揉む、叩く。(他動)
4)物で擦る、叩く。(他動、自動)
5)物に擦りつける。
6)歩行、筋トレ、ストレッチ等動作全般。(他動、自動)
7)3-6を様々な注意の向け方で行う。(他動、自動)
8)様々な姿勢を取る。(他動、自動)
9)低周波(中周波より向いてた)治療機。
大雑把に言うとこうなります。

担当OTのS崎さんと、
入院後期の担当PTのY澤さんとは、
「0%を1%にするには、
片っ端から一度触って刺激を入れよう」
と良く言っていました。

一度も触って居なかった場所は、
少しの刺激であっさり入る事も多かったです。

立ち上がれるようになると、
自重を使った姿勢を工夫する事で、
比較的感覚入力の行い易い下肢と違って、
上肢は入力方法自体が難しいので、
私の入力手順の話をしてみます。

麻痺側と健側の上肢の、
接点の一つである菱形筋は、
感覚が入らなくて、
弛緩している人が多いらしいのですが、
大菱形筋の出来るだけ下部を掴み、
健側斜め下方向に強く引っ張り、
同時に大円筋を脇下から掴み、
胸方向に強く引っ張ると、
菱形筋の感覚が掴み易かったです。

菱形筋さえ1%以上に出来れば、
菱形筋<大円筋<上腕三頭筋外側頭と、
続けて入り易いので、
小円筋と上腕三頭筋長頭は、
位置をしっかり把握してから、
代償しないよう弱い負荷で筋トレを行い、
前鋸筋は揉んだりして刺激を入れていくと、
前腕や手指を使う土台がそこそこ出来ました。

前腕より先端は個人差が大きく、
私と左右逆の症状の方も居ますが、
土台さえ出来れば改善し易いと思います。

胸筋や腹部が硬過ぎると、
菱形筋や大円筋は入れにくいので、
出来るだけ緩めておきたいですが、
肋骨の内側辺りは難しいので、
解せる人を見つけ難いかも知れません。

片麻痺の症状は十人十色なので、
大半の方には役立たない話だと思いますが、
少しでも参考になった方が居れば幸いです。
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身体所有感と体重の関係

前回の記事の続きです。

私が身体所有感に拘っている(現在も)理由の一つが、
体重の所有感です。

脳卒中後意識を取り戻して(発症10日頃)、
特に苦労したのは麻痺側の重さです。

人間の総体重に対する身体各部位の体重に対する比率は、
頭7%、
胴体43%、
上肢1本6.5%、
下肢1本18.5%が、
平均らしいので、
私の場合は、
意識を取り戻して発症から1ヶ月半頃までの期間、
頭半分(3.5%)の内の2割は所有感が有ったので2.8%、
胴体半分(21.5%)の内3割は所有感が有ったので15.05%として、
総体重の約43%は所有感が有りませんでした。

43%に対しては所有感が無いので、
ただの荷物と感じる訳ですが、
問題は所有感の有る部分が57%に減っているので、
57%のサイズの片手片足の人間が、
43%の重さの荷物を所有している状態なので、
とんでも無い重さなのです。

退院時(発症7ヶ月半)で全身の75%、
現在(発症1年)は90%程度所有感が有るので、
(1ヶ月前は80%程でしたが骨盤調整で増えた)
それなりに重いとは感じますが、
苦労と言う程ではありません。

ここで少し補足説明しますと、
今回の記事で、
「所有感の有無」としてここまで使っている「%」は、
「体の体積に対し身体所有感を有している部分の割合」で、
前回の記事で、
「0%の部分を1%に上げたい」として使っていた「%」は、
「部分毎の認知(感知)可能な状態のレベル」です。

回復過程で、
体積の0.5%の部分が、
認知状態0%から1%以上に回復した際には、
単純に体重が体積の0.5%軽くなる訳では無く、
同時に体積の0.5%身体所有感が増えますし、
(例えば57/43が57.5/42.5に成る)
回復部分の筋肉が働き出すので、
実際の効果としては0.5%より遥かに大きいです。

次回に持ち越します。

身体所有感0と1の差

入院中は表現方法が解らなくて、
「感覚が1%以上の部分を更に上げるより、
少しでも多く、0%の部分を1%に上げたい」
と、セラピスト(主にPT)に訴えていました。
(当初0%→1%はPTの分野だと思い込んでいた)

「そりゃそうですよね」
「1%無いと動かすのが難しいに決まってるので、
とにかく感覚を入れましょう」
と、言って、
感覚入力をメインにリハビリをしてくれるPTもいましたが、
動作の軸になる(出来る)部位で、
すでにある程度運動機能が回復している部位が有るのなら、
そこを伸ばす方法が主流なのだろうと感じていました。

感覚障害は、
医学的根拠に基づいた治療法はあまり無いみたいですし、
回復期病院は6ヶ月制限があるので、
感覚回復に拘って結果の出ないまま時間が過ぎないよう、
改善の可能性の高いデータに基づいた方法が、
優先されるんだろうなと思っていました。

私の自宅は、
エレベーター無しマンションの3階なので、
退院までに必要な歩行レベルの要求が高く、
入院当初の私の状態からは、
リハビリを寄り道をする余裕も無かっただろうし、
必要歩行レベル達成までは、
要望は訴えてもあまり通らないだろうと思っていたので、
通らなくて当然だと納得し、
目の前の事から取り組んでいました。

達成以降(発症4ヶ月半頃)は、
OTのS崎さんに、
「現時点から退院までに、
これ以上一切改善しなくても構わないし、
恨んだりもしないので、
0%の部分を1%に上げる事と、
疼痛を減らす事をメインにして欲しい」
「手足が動かなくてもいいから疼痛を減らしたい」
とお願いしました。

今思えば、
「0%の部分を1%に変えたい」
と私が訴えていたのは、
「身体(自己)所有(保持)感(sense of ownership)」(*1)
と呼ばれる感覚らしく、
「運動(身体、自己)主体感(sense of agency)」(*2)
との2つが、
「最も基本的な自己感」
という感覚だそうです。

長くなってきたので次回に持ち越します。

(*1)「この身体はまさに自分のものである」という感覚。
(*2)「この身体の行為を引き起こしたのはまさに自分自身である」という感覚。

片麻痺でアルベニスのカディス

アルベニスのカディス(*link)弾こうとしてみましたが、
指どうこうの前に4小節しか思い出せなかったです。

丸一年弾いてない曲だし、
ギター自体退院直後に1.2回触っただけなので、
忘れてて当然でした。

ギターを弾くと、
精神力が一瞬で消耗してしまって、
2分程しか練習しなかったのですが、
5ヶ月前の退院直後と比べると、
感覚も運きも随分改善しているんだと実感出来ました。

右利き用クラシックギターの右手は、
基本的に小指は使わないので、
私は症状的にまだなんとか手を出せるのですが、
特に改善したいのは小指なので、
左利き用を用意するか、
単純に小指のリハビリなら、
ピアノの方がだいぶとっつき易いので、
手頃なキーボードでも買おうか悩みます。

片麻痺でギター

先日ハリジャン針灸でハリジャン先生に、
「ギターもやったらええねん」
「簡単な曲からじゃなくて前やってた曲そのままやればええねや」
「段階なんかいらんねん」
と言われて、
再開するにしても一からやり直しだと思い込んでいたので、
目から鱗が落ちました。

これだけ書くと、
強引な発言に聞こえますが、
脳に対しての具体的な考えも、
しっかり説明してくれましたし、
ハリジャン先生は異常な程音楽に詳しいので、
私の技量を解っての発言だと思いますし、
何より長い付き合いの私の性格を考慮して、
こういう言い方をしてくれているんだと思います。

回復期病院に入院中は、
数える程しか練習しませんでしたが、
クラシックギターを持ち込んでいましたし、
退院直前には演奏を披露したりもしました。

その時演奏したのは、

ラグリマ(フランシスコ・タルレガ)


こんな曲で、
前半だけをもの凄くゆっくり、
間違えまくりながらの演奏でした。

脳卒中前に好んで弾いていたのは、

カディス(イサーク・アルベニス)


こんな曲で、
この動画を観ながら採譜して弾いていました。

「弾く」って状態になるとは思えませんが、
この記事をアップした後に挑戦してみます。

ハリジャン針灸

前回は8月末だったので、
4ヶ月振りにハリジャンに行ってきました。

20歳頃親友に紹介されて以来、
不定期ですがずっとお世話になっています。

3.4年前までは、
針灸、整体、整骨、吸い玉での治療だったのですが、
元は8mmしか届かなかった、
低出力半導体レーザー(ソフトレーザー)を、
25年程かけて20mmまで届かす方法を、
ドイツ(レーザー自体はPanasonic製)が開発したらしく、
これなら針の代用になると採用していました。

吸い玉で腹部と胸部の筋硬結を解してから、
全身をバキバキ整骨してもらい、
私の希望した顔の痺れは、
三叉神経を治療すれば良いそうなのですが、
目にはレーザーを使えないので、
針と併用して治療してもらい、
随分楽になりました。

本命の希望の、
構音障害はレーザーで治療してもらい、
少し喉が軽くなり声量が増えました。

尺屈手根伸筋もお願いして、
肘辺りを通る神経をレーザーで治療してもらい、
若干小指球の感覚が増えました。

脳卒中に対しての、
視点の幅が広がる話も色々してもらいました。

膝立ち訓練上肢版

リハビリセンターのPT室開放時間(3時間)は、
大半の人は訓練テキストをもらっていて、
基本的にはテキストを見ながら、
各自のペースでリハビリをしています。

私はテキストはもらっていませんが、
以前指定された運動が2つあるので、
その2つと自主トレです。

2つの内の1つの運動が、
うつ伏せになって、
両肘で突っ張って上体を起こし、
麻痺側の前腕を床から、
浮かして降ろしてを10回程度という運動なのですが、
今まで漠然とやっていたので、
担当(?)のPTの方に質問してみました。

肩甲骨の運動だったそうです。

詳細に聞くと、
1)腹を突き出す。
2)軽く顎を引いて斜め下を見る。
3)肘は肩幅より僅かに狭いぐらい。
4)掌はどちら向きでも良い。
5)麻痺側を浮かすと健側に重心を移し易いので気を付ける。
6)可能ならまとめて両腕上げると良い。
この辺が注意点で、
膝立ち訓練上肢版という認識で良いそうです。

股関節の感覚が入ってから、
膝立ち訓練の意味が理解出来るようになり、
楽しくなってきたところなので、
上肢とセットで頑張っていこうと思います。

夙川たから整骨院

夙川たから整骨院(*link)は、
3年半前からお世話になっていて、
退院後も月1ペースで診てもらっている整骨院です。

松本先生がどういう方法論で治療しているのか、
ほとんど解らないのですが、
極端にソフトタッチでも、
何故か痛みが取れていたり、
実感出来るぐらい身体の調子が良くなるので、
気に入って通っています。

東洋医学の先生は、
患者が改善すれば何でもOKという、
結果が全てな考えの方が割と多いので、
患者としては同じ方向を向けて心強いです。

前々から松本先生は、
一般的な整骨院とスタイルが違うと感じていましたが、
たから整骨院のホームページ(*link)を見てみると、
BCトータルバランスシステムという、
キネティックフォーラムという学術団体(*link)が、
広めているシステムを採用しているそうです。

松本先生は、
柔道整復師や鍼灸師の資格も持っているし、
(鍼はもう使ってない様子)
独立前は一般的な施術所で勤めていたそうなので、
現在もBCトータルバランスシステムだけで治療している訳ではなく、
経験と人間性から生まれた方法論なのだろうなと、
私は勝手に思っています。

そういえば、
通院リハでお世話になっているPTのN田さんは、
キネステティクス(*link)という手技を使っていると、
OTのS崎さんに教えてもらっている時、
「似ているけどキネティックとは別物」と言っていました。

意外と身近なキネティック。

室外杖無し歩行デビュー

先週の火曜日についての記事が、
ようやく6つ目で最後です。

この日の朝、
通院の行きで傘デビュー(*link)したのですが、
麻痺側の手で傘を持つのは危険でしたし、
この日のリハビリで随分歩行が改善したので、
帰りは杖を家族に預け、
健側の手で傘を持ち、
室外杖無し歩行デビューしてみました。

朝より安全に歩けました。

麻痺側の手で傘を持つ事に使う集中力より、
雨の中杖無しで歩く事に使う集中力の方が、
少なくて済む状態になったみたいです。

今まで室外杖無し歩行を、
試そうとすら思えなかったのに、
麻痺側の足に体重を乗せれるようになると、
運動機能だけでなく、
発想から変わる事に驚きました。

12/20の記事(*link)で、
(帰宅後効果に驚いた運動)と書いた、
坐骨の運動があるのですが、
下の履物を履く時、
麻痺になってから常に、
座った姿勢で足を組んで通していたのですが、
座った姿勢で足を浮かし履物引っ張るだけで、
履けるようになって驚いていたのです。

10m歩行計測

前回の続きです。

いつもPTの最後に50m程歩くのですが、
今回は、
1)杖有りで50m。
2)杖無しで100m。
3)杖無しで余所見しながら150m。
4)杖有りで10m歩行計測2回。
(全てAFO有り)
と、倍増どころでは無かったです。

3)を指示されたのは初めてでしたが、
麻痺側に体重を乗せる要領を得たので、
割と安心して歩けました。

4)は今まで11.57秒、17歩だったのですが、
9秒台(少数点は聞き取れなかった)、15歩まで向上しました。
プロフィール

トリーハ

Author:トリーハ
2014年1月
脳内出血発症
右片麻痺
3級2種

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